第27回 居住支援が目指す人の生き方(2025年2月18日)
第27回の講座は2025年2月18日(水曜日)18時00分からオンライン(YouTube Live)形式で開催しました。
今回のテーマは「居住支援が目指す人の生き方」で、一般社団法人LANSの代表理事である浅井 和幸(あさい かずゆき)氏にご講演いただきました。司会進行は、筑波大学生命環境系の田村 憲司教授です。
浅井様は、茨城県初の居住支援団体の代表理事として精力的に居住支援を行っています。
自立のためには、住まいの提供だけではなく、自立のための相談支援、就労支援や家計改善支援などが必要ですが、浅井様は、精神保健福祉士としての経験をいかして精神的なサポートも含めた支援活動を行っています。
今回の講座は、前半は、居住支援をはじめとした自立支援活動や、貧困をはじめ、生活に様々な困難を抱える人たちに、どのような支援活動ができるかについて、浅井様からお話いただきました。後半は、司会の田村教授と浅井様の対談形式でお送りしました。
本講座の内容を多くの方に知っていただいて取り組みの輪を広げるため、講座の資料を公開いたします。
ぜひご活用ください!

講座資料
※講座資料の無断転用は固くお断りします。
講座概要
- 1. 居住支援法人「一般社団法人LANS」の取組
居住支援法人は、住宅確保要配慮者(アパートなどの賃貸住宅を借りにくい人々)に対し、住まいの確保から生活の安定までを支援する役割を担っている。対象者には、低所得者、障害者、高齢者、外国人、被災者、DV被害者、刑務所出所者などが含まれる。主に住まいの相談や支援を提供し、安定した生活につなげることを目的としている。また、一般社団法人LANSでは、住宅確保要配慮者以外でも、経済的・社会的に困窮している人が自立できるような支援する。
居住支援法人として、LANSは、以下の4つの部門で活動している。- 居住支援部(茨城県第1号の居住支援法人)
住まいに関する相談
次の住居探しの支援
入居後の生活支援 - 福祉支援部(茨城県からの業務委託)
・生活困窮者自立支援制度の一環として、一時的な生活支援(最大3ヶ月)
・生活再建に向けたサポート - オンコール部(暴力被害者支援)
・県や県警、病院と連携し、DV、性暴力被害者のサポート
・夜間・休日の緊急対応 - 管理部
・シェアハウスやアパートのサブリース(約50世帯)
・事務・財務管理
- 居住支援部(茨城県第1号の居住支援法人)
- 2. 居住支援の制度と仕組み
居住支援の制度として「住宅セーフティネット法」と「生活困窮者自立支援制度」がある。どちらも住居や生活の支援を目的としているが、制度の目的や対象者、支援内容が異なる。
1.制度の目的
| 住宅セーフティネット法 | 生活困窮者自立支援制度 | |
| 目的 |
住宅を確保しにくい人が安心して住める賃貸住宅を確保・提供する |
経済的・社会的に困窮している人が自立できるよう支援する。 (生活保護を受給せずに生活を立て直していく) |
| 対象者 |
アパートを借りにくい人(住宅確保要配慮者) |
生活に困っている人(収入が低い人、仕事がない人など) |
| 支援の軸 |
住まいの確保(住宅の登録・提供、家賃補助) |
生活全般の支援(住まい・就労・家計・学習支援など) |
2.対象者の違い
| 住宅セーフティネット法 | 生活困窮者自立支援制度 | |
| 対象者 |
住宅確保要配慮者(賃貸住宅を借りにくい人) |
生活に困窮している人(収入が低く生活に困っている人) |
| 具体例 |
・低所得者 |
・低所得者 |
住宅セーフティネット法は「住まいが確保できない人」が対象なのに対し、生活困窮者自立支援制度は「生活全般に困っている人」が対象となる。
3.提供される支援の違い
| 住宅セーフティネット法 | 生活困窮者自立支援制度 | |
| 住まいの確保 | ・住宅情報の提供 ・賃貸住宅の登録制度 ・家賃補助 |
・住宅確保給付金(家賃補助) ・一時生活支援(住居提供) |
| 就労支援 |
なし |
・就労準備支援 ・就労訓練支援 |
| 家計支援 | なし | ・家計改善支援 |
| 生活支援 | ・入居後の見守り支援 | ・学習支援(子どもの教育支援) ・生活相談 |
一般社団法人LANSは 「住宅セーフティネット法」と「生活困窮者自立支援制度」の両方に関わる法人であり、住宅支援と生活支援を一体的に行っている。
受講者からの質問と講師による回答
- 家計改善支援の説明で、アルコール依存症が生活困窮の原因となったケースの話題がありましたが、その他にも家計の管理ができずに生活が困窮するケースで頻度の高いものはありますか?
家計管理について、収支のバランスだと考えています。クレジットカードなどで一か月後の支払い、借金などの負債を収入と勘違いしていること、1か月の収入を全て1か月で支出してしまうなどの生活習慣が問題のことがあります。借金はもとより、全て使ってしまうと、賃貸アパートの更新や車の車検、急な病気やけがに対応できません。車のガソリンやペットの病院にはお金を出すけれど、家賃は支払わないなどの生活が破綻していることもあります。
また、生活防衛資金を月給の数か月分ぐらいの貯金ができずに、仕事を続けられずに収入減、その後、どこにも相談できず深刻化、緊急化するというケースも多く相談を受けます。
今後、団塊の世代が後期高齢者になるなどの背景があり、身寄りのない高齢者が増えていくことでしょう。預貯金額が少なく、少ない年金でのやりくりの中、高齢者がアパートを探すことも、更新手続きすることにも多くの支障が出てくることは周知の事実であり、国や自治体も検討を進めているところだと思われます。 - つくば市や茨城県での(一般社団法人LANSで提供している居住支援事業の)利用件数や利用実態について教えてください。
「居住支援」が茨城県内の居住支援法人が対応している相談の件数ということであれば、私の実感では、同ケースを複数数えない新規ケースの数として、おおよそ年間数百件は超えると思われます。自治体や福祉なども併せたら、その5倍、10倍はあるのではないでしょうか。なので、国は各地自体に居住支援協議会を作る指針を策定しています。
新規数ではないですが、長期・短期も含めてLANSだけで50世帯を簡単に超える世帯に住居の提供をしています。相談を受けたケースの入居先は、当然、一般アパート、自治体営アパート、グループホーム、自立準備ホーム、シェアハウス、シェルターなど、様々なLANS以外の住まいにもつながっています。
関連ファイルダウンロード
- LANS【発表用】R7.2.18PDF形式/260.76KB
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問い合わせ先
このページに関するお問い合わせはつくば市役所 政策イノベーション部 企画経営課 持続可能都市・官民連携推進係です。
〒305-8555 茨城県つくば市研究学園一丁目1番地1
電話番号:029-883-1111
メールでのお問い合わせはこちら- 2025年3月14日
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